HISA-blog

MENU

「十三月夜の祈り」ヒラタヒサコ

0

11052013_379034872297972_1340294161869352803_ns

今年はじめから制作して
6月からスタートしたHISA展で初展示した「十三月夜の祈り」50号。
森めぐのHISA展でも展示します。
いつもライブペインティングで大きな紙に音楽とコラボレーションさせていただいていて
音と会話するように物語が生まれていきますが
即興でなく、じっくり時間をかけてペイントしてみたいと思って
心に浮かぶ物語や描いたあとから生まれてくる物語を綴るように制作をはじめました。

あらためて
わたしの描いたお月さんの欠け方を調べてみると
昨年の11月5日に見ることができた
「後の十三夜」と呼ばれるミラクルムーンの形と同じ。
暦の上で171年ぶりの月なんだそうです。
十三月夜という言葉自体、
制作途中
二胡とギターの2ストリングスさんがアトリエに来られた時
教えてくれて、十三月夜にちなんだ沖縄の曲を聞かせてくれたのでした。
満ちる前の月を描いていたので
十三月夜という言葉から想いが広がっていきました。

どんなふうに感じてもらえるかなぁと今まで語らずにいましたが
もう今年の展示も最後なので
その物語、わたしなりにブログに書いておこうと思います。

表現の自由が奪われた世の中で
女の子が唄っています。


「十三月夜の祈り」

屋根裏部屋に置かれた
画材道具や
楽器、本は、
表現の自由が閉ざされた社会を表しています。

13tukiynoinori1s_2015112701534954c.jpg

窓から見えるお月様に向かって
幼い女の子が唄っています。

積まれた本のページが蝶になって
唄声を届けるため飛び立ちます。
満ちる前、十三番目の月に向かって。
IMG_41892ss.jpg


P1040480s.jpg
整った町並みの向こうには、争いが起きています。
人が時間をかけ造り上げたものは
一瞬で崩れ落ち、カラスだけが佇んでいます。
P1040482s.jpg


戦争のないわたしの国でも、命に優劣をつけた争いが起きています。
友人の町では、大きな災害と共にそれはやってきました。
人々は町を追われ、家族は散り散りになりました。
その町の花は、コスモス。沿岸沿いに美しいコスモス街道があったそうです。
IMG_41912s

コスモス畑の中、猫が蛙を狙っています。
カエルは、猫に気がついているでしょうか。
猫は月明かりに照らされた自分の姿に気が付いているのでしょうか。
言葉も武器も持たず繰り返されてきた生きものたちの命の営みが
人々が去った町で、今もそっと続いています。
IMG_3308s.jpg

わたしたち、人間は
神様の創造の中で1番素晴らしいとされています。
自然界の中で1番知能があるとされています。

子どもの頃
人間だけがどうしてこれほど威張っている世の中なのだろうと

原っぱの中で
小さな生きものたちの働きや空の移り変わり
小川の流れを眺めて考えていました。

あれから、大人になって
守りたい命に巡り合い、
愛し合える人たちに出会って
世の中に希望を持ちたいと思うようになりました。


P1040449s_20151127032723489.jpg


保育園の帰り、娘を乗せて
自転車で走りながら
夜空に月を見つけては思います。

戦地の子どもたちは、
まんまるのお月さんが
光り輝く出口に思えて
長いはしごを探しているのではないかと。

そんな私の背中から
娘が
「まんまるのパンみたい!」と月を指さします。

お腹を空かして
お月さんがパンだったらいいのにと思っている子もいるかもしれないな。




今夜も、どこかできっと
月に向かって唄う女の子。

満ちていく月に
かけていく月に。


大人になったら、助けに行ける気がしていた。
残酷な歴史はどうして起こったのか
どうして誰も止めれなかったのか

大人になってわかった。
わたし自身が今もその渦の中にいて

沈みかけた船の上で
どう生きるかなのだと。


絵の中の小舟は、わたしの祈り。





HISAホームページ
http://kore.mitene.or.jp/~twins7yh/

SHARE

Leave a reply






管理者にだけ表示を許可する

該当の記事は見つかりませんでした。